所長のエッセイ

所長のエッセイ

この六月の雨を慈雨という

六月は梅雨の季節。どんよりと曇った空や、しとしとと降り続く雨にうんざりする気持ちは誰にでもあるでしょう。
この季節になると毎年私は「慈雨」という言葉を思い出すようにしています。「慈」には、慈しむこと=愛すること、大切にすることの意味があります。穀物を育てるために必要な優しい雨が降り続く六月、この雨のように私たちも人を愛し大切にする心を大きく育てなくてはなりません。
今この国には大きな悲しみに打ちひしがれている人がいます。あまりにも大きなものを失い希望を見出せない人がいます。
他人の痛みや悲しみを自分の痛みや悲しみとして分かち合うことが大切です。暗い絶望の日々に生きる人には、あなたは一人ではないと励まし続けねばなりません。
六月の雨が多くの人の心に恵みの雨となるよう切に願います。